遺言で生命保険金の受取人を変更することはできるのか?

相続・贈与対策として生命保険を活用することはとても大切ですが、時間を経過することで生命保険金を渡したい家族が変わることもあります。
そのような事態になった時に、現在資産を有している人が遺す遺言により、生命保険の受取人を変更することは可能なのか悩むケースもあります。

昔は遺言による保険金の受取人を変更することには法律上の定めがありませんでした。
その為、相続で優先される意思決定となる遺言で、保険金受取人は〇〇にと記されていた場合に、相続の現場でどちらを優先するか問題になっていたのです。
実際、生命保険会社の保険金支払手続きでも、保険契約と遺言で保険金受取人が違う場合には、受取人に意思確認をして遺言の記載通りに支払っても問題がないか確認がとられていたのです。
このような混乱を受けて保険法が制定されて、現在は遺言で保険金受取人の変更ができるようになったのです。

例えば、保険金受取人を〇〇に変更すると遺言に記載されていた場合には、保険会社は相続人に変更の意思を確認し保険金を支払います。
しかし、遺言が発見されるまでに時間がかかって、保険会社が従来の定めに従って保険金受取人に保険料を支払ってしまった時には、再度保険金が支払われることはないのです。
ですから、この制度を効果的に利用するための注意点を知っておく必要もあります。

制度利用にあたって注意したいことのひとつは、生命保険会社からの保険金支払いは先に触れたように二重払いされないので、必ず遺言書は見つかるようにしておくことです。
その為の有効な対策としては、相続人になる予定の人や最も信頼できる人に、遺言書の場所を密かに教えておくというのもひとつです。
また、自分たちで管理する自筆証書遺言ではなくて、公正証書遺言にすることもおすすめで、この方が確かと考えられます。
もうひとつは相続人や保険担当者を驚かせても意味はないということで、可能なら遺言による受取人の変更を避けることです。
その為にも遺言で変更できるからと軽視しないで、保険会社の手続きを完了するように心掛けることをおすすめします。